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「大和本草」後編 ~料理(におい消し)に関するところ~




お待たせしました!

貝原益軒の「大和本草」の後編です!

(前回から間が少し空きました)


当協会の事務局長である飯塚徹先生(横浜薬科大学漢方薬学科教授)が、その記述を意訳しました。

今回は料理に関する記述をまとめております。


パクチーは独特の風味を持っていますが、調理法にもコツがあります。

江戸の博物学、貝原益軒はこんなことを書き記していますよ(^^)・・・


【本文】このもの甚だ臭うしてかえってよく諸臭をさる。本草をつづめて曰く阿魏(セリ科の植物)の極めて臭しよく臭を止む。また,奇物なりといえるかのごとし。沈香・檀香の類いはその香りを持って物を薫す。これ理の常なり.阿魏,胡荽,葫蒜(ニンニク)の類いはその臭をもってものの臭をおおう。理の変なり。


…【意訳】 これはとてもにおいが強いのだけれども、かえって色々なもののにおいを取ってくれる。阿魏(セリ科の植物、においが強い)のにおい消しに似ていて、不思議なことである。ふつうは沈香・檀香などのように、良いにおいで悪臭を抑えるのだが、阿魏、胡荽、葫蒜(ニンニク)の類いはそのにおいで、他の物のにおいを覆い隠す。


【本文】また、胡荽の実にても葉にても、雉鴨猪鹿などのあつものに入れて美味なり。よく腥臭(なまぐさい)を去る。葉生なるは臭し。煮れば臭気なし。


…【意訳】また、胡荽の実や葉は、雉鴨豚鹿などのあつものに入れると、臭みが取れて美味しい。生の葉はにおいが強いが、煮ればにおいは無くなる。


【本文】葷草(韮やらっきょう)また蘆薈(アロエ)などの臭物を食して口くさきに好みを食すべし。菌(くさひら(きのこ))の毒に当たるにこの実を食すべし。このもの人に利ある。真実を知る人まれなり。またこれ人家に開くベからざるものなり。八月に種を下す。李時珍いうおよそ一切の補薬を服し、および薬中に白朮・牡丹のあるはこれを食すべからず。本草に曰く諸菜に合わせ食す気香の人をして口を爽せしめる。


…【意訳】葷草(韮やらっきょう)また蘆薈(アロエ)などのにおいが強いものを食べて口臭がするときは、胡荽を食べると良い。キノコの毒に当たったときに、実を食べるとよい。

とても有用な植物であるが、このことを知っている人は少ない。

八月(旧暦・現在の9-10月ころ。暑さの収まった秋分のころ)に種まきをすると良い。李時珍は、補薬の処方や、白朮・牡丹を含む処方を服用している物は胡荽を食べてはいけないという。諸菜と併せて食べると、爽快感がある。



最後の方は、料理ではなく前編の収めるべき「治療」に関する内容でしたね!

ご容赦ください(^^)えへへ。



「胡荽の実や葉は,雉鴨豚鹿などのあつものに入れると,臭みが取れて美味しい.」とありましたが

当協会Twitterのトップ画面の写真は、以前神田で頂いたパクチー入りのすっぽん鍋です。

さっぱりとても美味しかったです。


(…みて…Twitterも見て……)

Twitter:@pakutiacademy


パクチーアカデミー協会誌にも、パクチー鍋レシピが載っていますよ(^^)

購入はsato.pakutiacademy@gmail.comまでご連絡くださいね!



パクチーって、割と最近日本にやってきたような印象でしたが、随分昔からあったのですね!薬にしても良し、食べても良し!




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